一瞬の決心が人生を変えた

鍼灸の有名な諺(ことわざ)

 この言葉は鍼灸の有名な諺(ことわざ)で、中医学の先生であれば誰でも暗記している言葉です。
臨床上その言葉に従って治療にあたってきました。私も中医の一人であり、当然数千年にわたる歴
史を持つ中医学の諺は真実であると信じて治療にあたってきました。こうした諺は鍼灸治療を日々
患者さんに施す際のひとつの基準とも云えるものです。しかし、去年「消痛革命」という書に接した後
、私の心の中に大きな疑問が発生しました。「消痛革命」に書かれていることは、数千年の歴史を持
ち、無数の名医が経験してきたことと随分異なるものでした。果たして2点を刺激し按圧することで中
医学に匹敵する効果が得られるのでしょうか。今日までの中医としての経験から、柯医師の説く2点
刺激法に私たち中医が負けるはずはないと思っていました。
 そうした疑問を抱きつつ、同級生や友人と共に柯医師の「遠絡療法基礎講座」を受講したのです。
周 献剛
民国94年5月6日
周  献 剛
正直に申し上げて受講後は何か騙されたような感覚を禁ずることができませんでした。私の同級生も友人達も、その後継続して開
催される初級・中級講座を受講しませんでした。しかし私個人としては、心の中に中医学に対する矛盾を長年抱いていたこともあり
、今後初級・中級講座を受講するかどうか決心を付けかねていました。学問というものは疑問から始まります。そうした心の中の疑
問を解くためにも初級・中級講座を受講しようと決心しました。決心したのはほんの一瞬の間でしたが、この決心は私の人生を大き
く変化させることとなったのです。
 私の診療所に来院される患者さんは重み・痺れの患者さんが一番多く、治療は経絡、ツボの伝統に沿って、鍼灸・マッサージの
手技を用いています。これによってある程度の治療効果を得ることはできるのですが、常に何かもの足らないものを感じ続けていま
した。その最大の要因は、すぐに症状を和らげることができないということでした。しかし遠絡療法を学んだ今、私がかつて抱いてい
た様々な疑問が全て解決していきました。患者さんの痛みも、ゆっくり改善するのではなく瞬間的にすぐ改善されます。更に、かつ
ては薬を処方するしかなかった内科的症状に対しても、薬を出さなくて効果をすぐ得ることができるようになったのです。
 今では鍼灸治療をしている時も、昔の中医学のように経絡を考え、いろいろな方法で順次ツボを選択するようなことをしなくて済み
ます。また中国の諺を一生懸命覚えなくてもいいのです。治療している時、患者さんから「先生ここが痛いんです。先生が治療して
いる箇所は別の場所でしょう。」と不思議そうに言われます。そして治療後には患者さんはもっと大きな驚きの表情で「エッなぜ痛
くないの?他の先生の治療と全然違うじゃないですか、不思議ですねえ。」と言われます。患者さんのびっくりしている表情をみて、
私はニコッと笑いながらこう答えます。「今、医学はどんどん進歩しています。この治療法は遠絡療法という新しい治療法なのです。
」・・・と。
 最近、初級・中級を受講しなかった先生、そして一緒に受講している先生達に「何年も医学を学んで中医の資格を取って、今日得
られたものは一体何でしょう。免許は生活のためにお金をかせぐ道具になってしまい、開業して何年か経って感じているのは治療
に対する無力感です。」と常々言っています。今回延べ5日間、遠絡療法の初級・中級課程を受講し修了することができました。今
私は「一生の成功感」と同時に、充実感と自信を得ることができました。今は患者さんに何の疑いもなく治療することができます。
患者さんが苦しい表情で治療に来られ、出て行くときはとても嬉しい顔で出て行かれます。これは医者として最大の喜びと充実感
と言えると思います。
 一人の医師が今日まで習ってきた全ての治療方法や形態を放棄することは「賭け」であるとも言えるでしょう。またそうした新しい
治療法を患者さんに理解して頂くことは、全く新しいことの創造であり、既成概念を突破して行かなければなりません。今回の私の
「賭け」は、新知識を取り入れ古いものを打破していく「モデルケース」となることでしょう。さてあなたはどう思うでしょうか?古いもの
を守り続けるか、それとも希望を持って新しい医学の未来を創造していくか。あなたならどちらを選びますか?
 以上が遠絡療法中級過程を修了した私の心からの感想です。
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